いちごの栄養と健康効果

いちごの品種

いちごの品種については、前項でも少し述べましたが、最近多く出回っている主な品種についてもう少し詳しく紹介しておきましょう。


まずは栃木県生まれの「とちおとめ」です。これは「久留米49号(豊の香×女峰)」、「栃の峰」の交配種となっており、従来の主力である「女峰」に代わる主力品種として育成された品種です。光沢が大変良く、果肉は比較的硬め、日持ちもするのが特徴です。


果実は円錐形、果皮が鮮やかな赤色で、平均果重は15g程度ですが、女峰より酸味が少なくて糖度が高いことから急速に普及しています。


福岡県生まれの「豊の香」も人気品種です。これは農水省野菜試験場の久留米支場で「ひみこ」、「春の香」を交配して育成されたものです。1984年に登録され、九州など暖地で促成栽培に適する品種となっています。


果実は、光沢のある鮮紅色で、丸から円錐形の大きい実です。特に香りが強いのが特徴で、甘味と酸味のバランスもとれています。


同じく福岡県生まれなのが「さちのか」です。これは「豊の香」と「アイベリー」の交配種から育成された、西日本を中心とする新興品種です。果実の大きさはやや小さいのですが、果形は整っていて、光沢や着色にも優れた美しい実なのが特徴です。甘さも安定しており、肉質も緻密です。


「あきひめ」は静岡県生まれで、「久能早生」、「女峰」の交配種です。果実はすらりとした長円錐形でしかも大粒です。艶のある濃い橙赤色の実で、甘味は濃く、果汁もタップリです。


中部地区では「女峰」からこれに世代交代が進んでいます。佐賀県生まれの「さがほのか」も「豊の香」に変わる品種として有望視されています。実は甘く、形も整っているうえに、果肉が硬いので傷みにくい点も優れています。


このようにいちごはどんどん品種改良が進んでいるのですが、豊富な栄養素と健康効果は相変わらずなので、たくさん食べてください。